2018・1月。 2年ぶりの個展 ( 渋谷・初台 zaroff )

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     Gallery Zaroff 企画
     西牧徹個展(仮)



  ○  会期;2018年1月11日(木)~23日(火);画廊 珈琲 Zaroff(ザロフ)

     〒151-0061 東京都渋谷区初台1-11-9 五差路
     電話: 03-6322-9032

     開廊時間:open 12:30 - close 20:00(画廊), 22:00(喫茶店)
     休廊日:毎週水曜


  〇  ザロフに伺ったのは今月8日(木)のことだった。
     以前より案内状を置かせて戴く件でオーナーの石井さんとは幾度か電話で話したのみで
     お会いするのは初めてだったのだが、さしたる時間も挟まずお誘いを受け、企画展を
     即決して戴けた事には只々感謝するばかりである。

     展示にあたって今回思うところがあり、数点の新作を出し控えようと考えている。
     これは制作時間的に痛いが、やむを得ずのことだろう。良い新作を作ろうと思う。


  〇  とにかく、久しぶりの個展です。御興味のある方は是非、ザロフにお越しください。
     お待ちしております!
     以上、お報せでした。
     というわけで以下は今月のわたくし模様であります。
       







6月〇日

長年世話になっているSさんの家には初めて行ったのだが、所々に草原の残る住宅街で、なぜか美大受験当時の
80年代の小平付近を思い起こさせた。
玄関を入るとすぐそこは眼前が唐突に広がるフローリングの部屋であり、まるで雑多なラボラトリーといった様相だ。

無造作に置かれていた2体のラブドールは見たことのないタイプのリアルかつ精巧なもののようで驚く。
全裸。
しかし、ひどく誇張されたデフォルメに基づいて作られており、ほとんど蜂のようにくびれたウエストにアンバランス
に膨れ上がったバストは一種、畸形のようにも見えたが嗜虐的な衝動が湧き起こるのを抑えきれない。

どういうわけかSさんが姿を消すとやはり気になる。
ためらいつつ傍らに寄ると触れてみて、人体に限りなく近い柔らかさの質感にさらに驚く。
さすがに自立性の運動機能は無いものの、その眼球は動くものを追うようだぞ。

ついその「女体」に手を出し、すっかり酔ってしまった。
激しく抱きしめ、愛撫を繰り返した。
巧妙精緻に作られたそれらは驚くことに部位への愛撫の強弱に、あたかも人間のような反応をするのだ。
使用者の好みを見事なまで反映した反応、すなわち、声の強弱そして万化のセリフ。
過激な誘惑者に翻弄され、酔い、1時間弱ものあいだそのボディーを放すことができなかった。

その後ようやく理性が目覚め、何分かの経過後にS氏が戻ってきたのだが「郵便切手」を指定され、それを〇〇円分
用意できるならば一体譲ってもいいと言う。・・・、という夢から覚めたのが2日前のこと。

近頃、というか殆ど毎夜、記憶の残る夢は奇天烈な悪夢が大半で、夕べなどは御丁寧に悪夢の短編集にうなされる始末。
だが、この日は珍しく「淫夢」それも過激な。
しかし、夢の快楽というのは現実の快楽を遥か凌ぐというのは俺だけだろうか。



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        『湖上の駅』 (2017) 42x59・4     ケント・ボードに鉛筆



「蜂のようにくびれたウエスト」というのは今仕上げ中の絵の少女が夢に反映されたようだな。どうも。
蜂ほどではないにせよ、くびれたウエストを持つ少女は人工的な趣の無表情さでロリポップをくわえ、唇から
溶けたキャンディーを滴らせている、という絵で久しぶりにA2サイズという、自分にしては大判の作品になる。

等身大ではなくとも、向き合える大きさの少女画を描くというのはずっしりとした手応えを感じる。
全背景をムラのない漆黒で塗りつぶすのならば迷いも無いが、今作はそうもゆかない。
描いては遠ざけ、描いては遠ざけの繰り返しで全体のバランスをとるに手間取る。
湖の水平線と小島を描き込むかに迷っている。
や、描こう。






6月16日(金)


店内は広く、天井高く、大きなガラスの自動ドアが開き一歩入ると良い匂いがする。
畳、ゴザなどの井草だ。
もとゴルフ場ゆえに広大と言ってもよい広さのこのホームセンターには、仕事の合間などさしたる目的もなく来るが
おおいなる気分転換になるので好きだ。
しかし今日は敷布団を買いに来た。運び面倒も厄介と思ったが、見て、触って選んだほうがよいと考えて買いに来た。
客はまずいない寝具売り場をざっと見ると、あった。¥2980。わるくないな。
決めた。
しっかし、昔の綿布団と違い軽いなあ。


さて、午後の制作を終えたのが15時。雲行きがあやしい。猫に早目の食事を与え玄関に鍵。

17時の特急に乗ったのだが、まるで俺を濡らすためだけ、というような雨は「玄関→乗車」の間だけであった。
それもいちばんひどい降りの時歩いた。
失敗した小さなビニール傘はあまり役には立たず、雨を履いているような靴になってしまったのが気持ちわるい。
が、やれやれ、腰を下ろした特急。無人の7号車でよく冷えた微糖の缶コーヒーが旨い。

Kと18時に落ち合う。
アトリエサード編集長夫妻との呑み会は昭和遺産と言っても良い老舗の鰻屋だ。
まあ、若いひとはまずいない。
地下へのこの暗い階段を制覇して入店する未知の不安というリスクを背負いたくはない・・・、と普通は考えるだろうな。
(大袈裟かな?)

階段を降りると奥が小さなコの字カウンターであり、狭い通路挟んだ右手が10卓ほどの入れ込みの座敷となっている。
くまなくどこもひどく煤ぼけている。
カウンター上には泥鰌の泳ぐ水槽有り。
(しかし後ほど頼むと品切れだった。皆食べられてしまったらしい)

予約は18時半。しかし店内はもうほぼ満卓。
ここではそれでも一定のデシベルを崩すことのない本当の酒飲みが大半だから、素っ頓狂な声を張り上げたり、やたら手を
はたく調子者はまず、おらん。
心地よいざわめきと、安く旨い鰻の焼ける煙がたなびく天井を見上げることさえ楽しい。

編集長から新しい「エクストラート」を手渡された。
「キム・ディングル」というアメリカのすばらしい女性作家を俺は今回取り上げ記事にした。
自分には描こうと思っても到底無理な大胆で奇抜、そしてコケティッシュなロリータ・アートである。

「あさ開」を飲みつつ鰻の串はやはり旨い。
ここは最強である大井町の鰻屋とは違い串の種類も少ないがそれでも「かぶと、ひれ、きも、一口蒲焼」
タレ、塩いずれもおおいによろしい。(Kがかぶとを好んで食べることができたのには驚いた)
けっして広くはない座敷を切り盛りするのは小柄なおかみさんひとりで、気さくで精力的な接客に感心する。






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☆ 『ジャイブの帝王』という公演広告を朝日新聞に見たのがもう何十年前なんだろうか。
  このひとの声の伸びは変幻自在、伸縮自在のまるで太く強いゴムのようだ。何枚かのLPレコードとCDを持っているが
  久しぶりに調べたらとても魅力的なジャケットの盤を見つけ迷わず買った。
  90年代(と思う)ライブ盤を売ってしまったのが今となっては悔やまれる。







☆ 鉄道を使ったポルノ・ムービー。
  導入部がとても繊細で美しい撮影となっており、先を期待させる高揚感に満ちていた。
  制服姿の彼女もキュートだ。
  コンパートメントでの妖しい表情や誘惑の姿態がとても美しい。

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が、中盤以降の凡庸なポルノシーンに少々がっかり。
ポルノを観てポルノにがっかりというのもおかしな話しだが。。、

先も書いた通り、映画の導入部を思わせるせっかくの高揚感なのだから、欲を言えば少々不気味で
幻想的な列車内の光景などが加味されたエロスが展開されたらいいなあ・・・、という勝手なことを
考えてしまった。 
でも優れた短編ポルノであることは確かなこの映像、残念ながら正確なタイトルは不明。
こういったものがもっと観てみたい。






6月18日 (日)

今までは間違ったルールでのビリヤードだったことを知らされ愕然とする。
というわけで夕方、正式なルールでのゲームをKの解説付きで1時間半ほどやってみた。
お、緊迫感があるな。
初めてなので息詰まる感もあるが、なかなかいいではないの。

しかしここボーリング場の片隅にあるビリヤード台はどんどん台数も減り、どんどん片隅に追いやられるようだな。
ゲームはまだ不慣れなルールにより釈然としない感じなので、もとの「下品」かつ「幼稚」な無知ルールで最後の
ゲームをしめくくったのだが、待てよ?なんだかこっちの「低俗」で「野蛮」で「品格のかけらもない」遊び方のほうが
なんか単純で楽しいかもなあ。
(恥ずかしいので言わないが、おおかたのひとが想像に易いだろう)

今夜は麻婆豆腐をつくった。
なるべく手作りの料理を食べたい、食べさせたいと思っているので今夜の麻婆も「理研」とか「丸美屋」とか「味の素」
とか「ふじっコ」とか「寿がきや」とか「李錦記」とか「成城石井」とかその他のレトルトは使わない。
結果、それら食品会社の美味しさに劣ろうとも。

自画自賛じゃないけれど、まあ味はこんなものでよかろう、と思った矢先、とろみをつける片栗粉がないことに気づく。
しかし、小麦粉があることにも気づく。
これでもしっかりとろみはつくのだからね。
さあ、できあがったところでグレープフルーツ(ルビー)をたっぷり絞ったソルティ・ドッグをつくる。
ウオツカはフランス産、37・5パーセントをきっかり45mlを入れる。
摺りガラスのようになるまで冷凍庫で冷やしたグラスを、もちろんスノースタイルで。
ここで少々アレンジはトニックウォーターを入れ、夏向きのど越しの良さをねらう。

飲みながらアメリカ産90年代人気テレビドラマシリーズを観る。
不思議な話。
数か月もちまちまと観てきたこのシリーズだが、まだまだ先は長いぞ。
新シリーズもできたと伝え聞く。

見終え、麻婆お豆腐はなかなか評判がいいのであった。





 
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☆ 怪奇小説のアンソロジー。
  どこから読んでも楽しめる一冊で『陽気なる魂』 『マーマレードの酒』 『ボルドー行の乗り合い馬車』
  『遭難』 『列車』がに気に入り。特に『列車』はリドル・ストーリとして秀作だろう。

  どんなジャンルでもそうと思うが、読み手のあたまに瞬時に場面を閃かせてしまう達者な文章を書ける
  作家はすばらしい。
  それにしても訳者である西崎憲さんはすごいひとだな。














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それもかねてみんなみにきてっかんね。


2016年


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      ☆ アトリエサード刊 『エクストラート』に連載中【toru-nishimaki selection 005】
       はドイツのフォトグラファー、ヴィクトリア・ソロチンスキー。




〇 札幌の個展、図書館、美術館、画廊、そして随分友人、知人に会った。
  中でも図書館にゆく、という習慣というか、齢52にして今更ながら図書館の魅力に開眼したというか・・。
  日記手帳をざっと斜め読みし、簡単な記録抜粋で2016年のブログを締めくくろうと思う。

〇 今までにない大敗を喫した札幌での屈辱は来年2月神保町の画廊での失地回復を誓い、ここでは触れない。
  しかし、久々の北海道は実に楽しかった。
  全体的に2016は連載記事(アトリエサード刊『エクストラート』)の好感触やフランス、エノルマTVへの出演、そして企画展の
  決定など、いくつかの芽は吹いた(小さなことではあるが)。

〇 具体的ではないけれど朧ながらのイメージがある。
  2017年は作品集を制作する予定。
  






● 10月26日 (水)

ケロッピー前田さんとは何年の付き合いになるだろう。阿佐ヶ谷のトークショーで酔ってやじを飛ばしたのがはじめだが
お互い、個展に行き来し、呑み、先日は池袋で開かれた国際的規模である『ミネラルショー』に誘ってもらい会場を歩いた。
そんな前田さんから電話があったのがいつかは忘れた。
経緯は(このこともすっかり忘れていた)3年も前だろうか、随分世話になったフランスのジャーナリストであるアニエス・ジアール
に長いインタビューを受けたものが本国でつい先頃出版されたそうなのだが、それをエノルマのスタッフが読んで俺に会いたい
と言ったことからだった。


エノルマ


駅まで迎えにゆくとまず飲むことになりスーパーへ買い物。
選んだ肴はすべて刺身だ。
鮪、イカ、帆立、しめ鯖・・、と、俺はここで大好物である鯨刺しを発見。
しかし「問題を複雑化するのはやめましょう」と前田さんに言われ笑った。
そうね。鯨だもんな。

帰宅し収録に先立って軽い酒宴が始まると、フランス人ふたりの箸遣いのうまさに驚く。
生魚が大好物というのにもっと驚く。


撮影


数時間を経たのち、収録を終えての記念撮影。
フランスでは12月22日に放映された。



● 12月6日 (火)


府中市美術館へ「藤田嗣治展」を観にゆく。
車で狭山湖、多摩湖を抜ける道は細くしかも急角度で蛇行するので楽ではないが楽しい。
初めて訪れるこの美術館は特筆すべき点は無かった。
しかし、出展作は揃いも良く、九段下の近代美術館のものより面白かった。
図録を買う。

帰宅し、深夜借りておいた映画を観る。
『ライフ・オブ・パイ』
こういった極限ものは大好きだ。


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☆ 『ライフ・オブ・パイ』
   ディズニー的な単純感動ものと思いきや、予想外の奥深さと謎を残す佳作だった。
   まさかこの映画がきっかけで『ポオ』を読むことになるとは。


● 12月14日 (水)


1年ぶりくらいかな。
HPNの会は神保町で。
やはりこの3人会は特別な面白さがある。
醸される雰囲気がいい。
料理は手羽先唐揚げ、鶏と冬野菜の南蛮漬け、鶏天、明太蓮根そして水炊きを。
Kのおみやげの手羽先を買う。
揚げたても旨いが冷めてもこれならば旨いだろうと思い、10本を包んでもらった。



● 12月18日 (日)


最終日ということもありチケット売り場から混み合う行列の「ゴッホとゴーギャン展」は東京都美術館。
思った通りゴーギャンの絵には何の感興もなく殆ど素通りする。
そんな中アドルフ・モンティセリという画家を初めて知る。
ゴッホに因みが深いと言われるこの素晴らしい作家を知ることが出来たのは今展最大の収穫と言えよう。
その異様とも見える厚塗りの技法と暗い色使いに圧倒された。

観覧を終え、浅草へ着いたのはとっぷりと暮れた頃合いだった。
鴨料理と蕎麦の店「つるぎ」は以前より訪れてみたかった浅草の料理屋のひとつなのだが期待を裏切らない
良店であった。
日曜ということもあり、切らした献立が幾つかあったのは仕方がなくそれでも明太子、天婦羅、白うるか
そして鴨しゃぶと頼んだ献立すべてが旨い。蕎麦も無論。

久しぶりのアンヂェラスではやはり梅ダッチコーヒーそしてサヴァラン。
バスで池袋へ帰る。浅草↔池袋間のこの路線は好きだ。



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☆ 「おまつり」「空の雲」なんて素晴らしい詩だろうか。
  聴き込めば聴き込むほどに味わい深い。






● 12月26日 (月)


雑司ヶ谷のピス賢の家にゆくのは何か月ぶりだろうか。
これもご無沙汰の「鬼門会」は今回特別の編成となる。
ピス賢、小峰、光村(友人の写真家)、Kとその友達のD、兵庫(ピス賢の隣人で漫画家)の7人。

Kと西武地下で鶏皮ポン酢、蒲鉾、鯖の燻製、手毬寿司、棒餃子など料理をいくつか買い求め、鬼子母神で光村と落ち合う。
後、曽根宅へ向かう。
狭い六畳一間にひしめき合い、酒を飲み料理を食べながらの談論風発はいいが、ひとが多いとやはり
話しは跳ぶ。
兵庫君がつくってくれた肉じゃががなかなかに旨い。


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☆ ピス賢のシングル小説集の第2弾。
  彼は文章巧者だが正直ブログのほうがおもしろい。
  まあ、これは仕方のないことだろうと思った。



● 12月28日 (水)


長年世話になっている三軒茶屋の画廊『ガルリ・アッシュ』の忘年会が終わり参加者は画廊の壁面に最後のサインをした。
その時の仕上げがしたく、kと共に三軒茶屋へゆく。
これほど大きな壁面画は初めて。
1時間休みなく描く。
鉛筆画的に細部まで、と思ったが無理。
全体的に黒くなっただけだ。ほどほどで終える。
そのあと重富さんのお誘いで3人での忘年会はイアリアと中国、ふたつの国だけの料理がある風変りな店。
しかし旨い。
その後、バーに連れていってもらいズブロッカを飲む。
すっかり御馳走になり帰路につく。


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● 12月30(金)


神保町にゆく。
今年最後の飲み会はアトリエサードの編集長・鈴木夫妻とKとの四人会。
場所は先日HPNで、思いのほかの収穫のあった九州料理の店で。
手羽唐揚げ、馬刺し各種、しゃぶしゃぶなど、締めは雑炊。焼酎は四合壜を二本あけた。

結局前回同様、カラオケとなり始発まで歌う。
住まいの駅に帰り着くと空腹でマックで食べタクシーで帰宅。






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☆ ただ今、平行して読んでる本。
   「極北」は中でも際立った面白さ。



カレーライス / おはぎ / うなぎ



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          『カレーライス』 (2016)  8×25cm
 
☆  ボールペンによる3作目 『カレーライス』 の一部分。
   同サイズのもう1点と共に、ワンフレームに収めて展示する予定。
   (場所は未定)




◯ 目黒の、初めて聞く名の画廊からグループ展の誘いがあった。
  こういった誘いは多々あり、言葉巧みに誉めそやし、とどのつまりは安くはない参加費を要求してくるのが大多数なのだが
  ここは送料自己負担のみ。
  作品を気に入ってもらえての誘いは嬉しくもあり 参加を決める。
  ただ、出展作品の調整に迷う。
  11月、札幌の個展のため未発表の新作は数点あるが、その殆どが過激な艶画であるうえ、小品なのだ。
  制作途中の「スフィンクス」が間に合えばいいのだけれど。





baraのコピー








4月8日 (金)

自衛隊基地に隣接するかたちでおおきな公園がある。
普段眺め通り過ぎていただけの、その公園に行ってきた。
芝地を覆いかける桜の木々の下に花見客は個々陣取り、その数は決して少なくはなく、でも、あれっと思ったのは
花見って皆こんなに静かだっけ?
誰も浮かれ騒いではいないけれど皆楽しそうに弁当を囲み、バドミントンに興じ・・、寝、喧噪も無く、ごみ一つとて落ちていない。

 夜になり花見客は散り、芝と桜の広場には殆ど人影はない。
基地反対側はうっそうとした木々に囲まれた遊歩道で、程よい街灯にベンチが照らし出されている。
そんな暗い木立ちから音楽が聞こえ、我々は興味をそそられた。
木々の向こうは見下ろす街の灯がきらめいている。
誰かがヴァイオリンを奏でていた。

 この日は他に蕎麦屋(夕方時だったためか客はおらず、贅沢にも囲炉裏端の席をしめることができた)
レストラン(ここのステーキは旨そうだ)そしてまさかあるとは思わなかったのがプラネタリウム。
児童館の中にそのプラネタリウムはあるのだが、幅広の螺旋状階段をのぼると、開け放たれた入口からドーム天井と
プラネタリウムが目に飛び込んできた。
無人。星空も無論投影されてはいない。
後日是非観にゆこうと思う。


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5月15日 (日)

近頃の初夏のような暑さが引き、少々肌寒ささえ感じる今日。
昨日ささいなことで切った包丁での傷を見る。薬指。
腹が減ったので近所のコンビニへ行ったのが昼前か。
ハムとチーズのサンドイッチひとつ。こんなことはめずらしいことだ。
コーヒーを淹れ簡単な昼食とする。

 7月、11月と展覧会を控え制作、遅れ気味の進行だが無理はしない。できないし。
先日画材屋で買い求めたステッドラーの新商品である鉛筆の鉛筆以上の黒味が気に入り、調子は良い。
7月、目黒の展示はひとり150×100の壁面を与えられている。
まだ訪れたことのない画廊だが見た限り(ギャラリーのサイトで)真っ白な印象のそこは天井高く、広く、小品複数より
大作がよさそうだ・・、といっても俺のはたかが知れているが、、、。
「スフィンクス」100×80を出展することにする。

 今、派手で過激な直截的エロスを描きたい反面、アーリング・ヴァルティルソンのような肖像、それも奇妙な、レオノール・フィニ
の女性像、それも奇妙な、そういった作品を描き出してみたいとも考えている。

 3時間ほど制作をし、Kと家を出る。
芝の公園を抜けてゆくと一軒家のレストラン。この店にくるのはひと月ぶり。
今日ここで「ベリーレア」という焼き方を初めて知り、調べてみるとおおかた3種類であろうと思いがちな焼き方(ステーキの)
が6種類もあることと、単純な料理の繊細な奥行に驚く。
その後ビリヤードを1時間ほどし、帰宅。
ハイボールを飲みながら制作1時間ほど。




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☆  岡本かの子に次いで好きな尾崎翠の作品集が岩波文庫より2014年に刊行された。
   今は無き創樹社からのハードカバー本を愛読していたのだけれど、収録作品も違い
   読みやすいこともあり文庫も買い求めた。
  
   表題作もさることながら 『歩行』 『地下室アントンの一夜』 この二つ。
   少々奇妙な短編は、物語作法として一つの髄に達しているようにも感ずる。
   重箱にきれいに詰められたおはぎ。
   小豆の皮がところどころに輝く、まるまるとしたおはぎが目に見えるようだ。
   



5月16日 (月)

手元に置いておけば、なかなか終わりの見えない加筆をしてしまうのだが、描き込めば確実に充実してゆくその手応えは
一種の快感である。
かなり前の作品ではあるが「フェニックスの羅針盤」という作品に今大幅に手直しと加筆をほどこしている最中。

 ポップコーンをつくる。
小鍋に乾燥のトウモロコシを入れ、サラダ油、塩、化学調味料そしてバターを入れ、火にかけ揺するのだが、蓋をした小鍋
の中で弾ける音と手応えはなかなか小気味良い。
こりゃあ、んまい。

 夕食にKがゴーヤチャンプルをつくってくれたのだが、塩加減も良く存外旨い。
ゴーヤ、もやし、人参、木綿豆腐そしてスパム。香気の漂う湯気たつフライパンから白い深皿に盛ると彩りも良い。
へえ~、スパムを入れてつくるゴーヤチャンプルってこんなにおいしいのか・・。



5月21日 (土)


かぼちゃのポタージュをつくった。
鍋でかぼちゃを煮、マッシュポテトの要領ですり鉢でつぶす。
生クリーム、牛乳で伸ばし、コンソメを溶かした湯の入った鍋に、網で裏ごししてなめらかにしたその「かぼちゃクリーム」を入れる。

で、煮る。
これはいい出来だ。かぼちゃの自然の甘味が生きた手作りのスープは濃厚で実にうまく我ながら感心する。

 アトリエサード刊 『エクストラート』の連載記事を書く。
来月半ば頃発売のこの号で紹介するのはアメリカの画家。
まだ3回めで言うのも変だが、いちばんの気になる画家と言えばこのひとだろう・・、と思うくらいのアーティストだ。




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☆ アイスランドの女性アーティストであるソーレイ。
  このひとはピアニストなのだが、本作ではピアノは奥に姿を潜め
  展開される曲はまさにこのジャケットの如し、ダークでメランコリックなものが殆ど。
  クローネンバーグの映画音楽の担当である、ハワード・ショアのような
  静かに闇から湧き出るような不気味なシンセサイザーが印象的な一枚。




5月22日 (日)

トマト缶とトマトジュースの残りをもとにポモドーロをつくる。
そしてスープ。
ポルチーノはだいたいがクリームスープなので、あえてコンソメスープをつくった。
今日は疲れた。
昼はいつものサイクリングコースを散歩したのだが、気温が高いなか7キロ近く歩いたので疲れた。
しかし、舗装された細い堤、川面を眺めながらの気分は良い。
しかし、手作り感芬々たるカフェにも疲れた。
それはないでしょ、というカフェに疲れた。
でも散歩途中で食べたマックのハンバーガーはおいしかったな。


5月23日 (月)

ピーマンの肉詰めをつくった。
これは何年ぶりだろうか。
しかし、どうやらおいしく仕上がった。

 このところの気候で糠床の発酵が早い。塩と糠味噌辛子そして足し糠をする。
毎晩の酒の肴には糠漬けは欠かすことのできないものだ。
一時期中断していた床を、陶器の壺からホーロー引きの白の容器にして2年。
以前より漬け易くなったので世話も苦ではなくなった。
しかし、漬けるのはもっぱら胡瓜、大根、蕪、白菜、キャベツ、人参といったところで、じゃが芋とかアスパラとかピーマン
などは一切漬けなくなった。

 先日の昼、胡瓜の古漬けを刻み、塩昆布とともに入れ、焼き飯をつくった。
いちにち取り出さず、2日もすればたちどころに極上の古漬けになるこの季節。
それは酸味も塩味もかなり強くなり、焼き飯にはうってつけのものとなる。
細かく刻み、冷えたご飯とともに熱したフライパンに投じる。
そこに化学調味料少々と塩昆布、白胡麻、そして僅かな醤油をかけまわす。
そして炒め、皿に盛り、削り節と揉み海苔をふる。
こりゃ、んまい。
酒にもよく合う旨さだ。
つい、冷えた菊正をグラスに注いでしまう。

夜、調べものと制作。




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☆  好物でもある鰻を題材に、複数の作家が書いた短編を集めた作品集。
   となれば買わずばなるまい。
   中でも吉行淳之介、吉村昭は好きな作家でもあり買って正解だった。

   しかしこのところの鰻の高騰ぶりは困ったものだ。
   かつて贔屓にしていた紀文の鰻 (真空パック¥780)がなんと¥1580になってしまった。
   当時中国産のものを国産にしたから、とメーカーは言いたいんだろうけれど、中国産でいいから
   もとの価格に戻してくれ。
   ということで読めば確実に食べたくなる鰻。そんな本です。   


アイちゃんの家の海老フライ



ちあ

★ 秩父の喫茶店 「千茶古」 (ちゃこ) 店内から眺めた庭をKが撮る。
   




秩父からの帰路は非常に暗く、しかも路面脇には残り雪が凍てついているため緊張を強いられる。
片側一車線(しかも対向車線側向こうは夜闇にまぎれた底知れぬ崖)のため追い越しは非常に危険をともなう。
我々の帰路は八時を回っていた。
極めて少ない、先ゆく車のテールランプは提灯火のように見える。

皆、後続車に追われるように速度を上げるように見える。
追い越しのできない道ゆえにあおられているように感じるからだろう・・・。

今、先行車はいない。
と、闇を映すルームミラーにまばゆい光が入り込んでくる。
後続の車。それも相当な速度だ。
先も書いたようにとにかく暗い。片や断崖は底が知れぬ。隣にはkが眠る。

山岳路で先行車にこれほど接近するとは。
動体視力はわりと良いほうと思うが、この夜闇の山路だ。
ヘッドライトに浮かび出される凍てついた山肌をかすめるように走り、無事、帰り着くことができるのだろうかと思いながらも三度、追随のヘッドライトを引き離し、振り切れた。
かつてОに仕込まれた、というか実地で味わわされた運転を何十年ぶりかに、した。というか強いられた。
(ここでОのことには触れないが)

市街地に入りコンビニの駐車場に車を入れると追随が猛烈なスピードで走り去る。
車種は判らぬがエアロパーツを付けたブルー。
車での夜の秩父路はもう御免。


11月の北海道個展の制作、アトリエサードのための記事、制作、勉強、バドミントン、サイクリング、深夜の映画会。
そんな合間の秩父再訪は特急レッドアロー。


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★ 武甲山近くのプラント。






2月4日 (木)


ピエ・ブックスより3月発売の「幻想耽美Ⅱ」の校正届く。
提出した作品数からセレクトされたものが思ったより少ないのは、まあ仕方がない。
しかし、今年は何か新規な試みをしたい。それは売るためのというより、制作での新鮮な高揚感を得たい。
無論金は欲しいがそれ以上に、続きをする楽しさを味わえる新たな創作を望む。

正午前。
スクランブルエッグとベーコン、レタスときゅうりのサラダ(鶏だしドレッシングを作り、それで和えたもの)
クロワッサンそしてコーヒーの遅い朝食をゆっくり食べる。
前夜作った餃子の挽き肉が少々残っていたので玉子料理に入れてみたところ、これがなんと存外旨い。
彩りとしてはパセリパウダーを。
バドミントン二時間ほどする。





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★ FROM THE MOUTH OF THE SUN 『WOVEN TIDE』  

「君が代」を彷彿させる荘厳な曲が印象的なダーク・アンビエントのアルバム。
チェロ、ギターを多用し、室内楽集のようでもある。
chris-koelle (画家、版画家)の手によるアートワークがジャケット、盤面と美しく
総合的に極めて良質な一枚。
夜更けの愛聴盤の一枚。


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★ フエンテス短編集 『アウラ・純な魂』 岩波文庫 

「目に見えるようだ」
優れた小説に対するこの賛辞は志賀直哉だが、相違なく、視覚的イメージを強く
送り込んでくる文章というのがある。 メキシコの作家、フエンテスのこの作品集
中でも表題作「アウラ」はそうしたものの顕著な一作。

映画のごとく映像がまざまざと浮かび、この不気味な一遍は読む者の脳裏に明
らかなイメージを湧きあがらせるだろう。それは視覚のみならず臭覚や聴覚と
いった五感にまで訴えてくるというのは言葉過ぎるだろうか・・・。
怪奇、幻想といった類の小説、日本では平井呈一の名作「真夜中の檻」で同様
な読書体験を味わったことを思い出した。





2月24日 (水)

あいちん


アイちゃんがサーカスの火の輪くぐりのようなジャンプで椅子からテーブルへと跳び、カウンター向こうの座敷に消えると
運ばれてきた海老フライに目を瞠った。
香ばしい誘惑に思わず尾をつまみあげ、頬ばる。
旨い。実に。
目を瞠った。
ずるりと脱げ落ちてしまうような分厚な衣のフライかと思いきや、極めて薄くカラリと揚がった衣をまとった海老はまさに
上等なフライだった。


えび


★ こんな「上等」は食べた記憶もないほどの香ばしさ甘さそして熱い歯ごたえ。
  店主の心馳を感じる付け合わせの果物がなんとも嬉しい。


ぱり


ここはその名も「パリー食堂」
その風格ある威容とそのたたずまいの古色蒼然はわれわれを放ってはおかなかった。
褪せた食品サンプルはそのガラスケースの中で永遠に時を止め、のぞき込む自分の顔すら過去のひとのように映った。

ビールを頼むとまずはじめに出たのは大根と人参の煮物だったのだが、寒さにかじかんだ我々の舌と胃袋をなだめるに
十分過ぎるおいしさであった。
それは鰹出汁で丁寧に煮つけられたもので、変哲のないこの一品がこれほど我々を悦ばせてくれるものとは・・。
今日はおじいさん(名は知らぬ。パリーの主人)とその友人たちの集いがここであり、おいしそうなすき焼き鍋が卓上に
支度されている。

ビール大瓶を分け合い、俺は秩父錦の熱燗2合。
料理はkはソースかつ丼。
「上等」のほか、ニラレバ炒め(これもごく普通のものだったが、その普通が普通の旨さではない)をふたりでつまむ。
気が付くとアイちゃんが階段上の隙間からちいさな丸顔を突き出しこちらを見下ろしていた。


あい

★ アイちゃんは御主人にしかなつかないおばあさん猫。
   幾つになるのかはわからない。
   (今回、アイちゃんと海老フライはKが撮ったものから抜粋)






ボウガンとポルノ


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1月28日(水)


日暮れて都心に向かう冬の特急車内はさびしい。
だが、そういうのが好きだ。
郵便受けにアトリエサードから送られてきた最新号を出がけに確認しているので帰宅後も楽しみ。
新年初めて、そのアトリエサード鈴木編集長と呑む。

新宿。
猥雑、混沌、臭気漂う胡乱な人間のひしめく裏通り、 高校時代とまるで変わるところがない。

80年代、そんな混沌の錯綜する大通りに銃砲店があったことなど今のひとたちには想像もつかないだろう。
俺はそんな大通り近くの劇場で観た「マッドマックス2」に今思えば幼稚な触発をされ、ここで木製の重たいボウガンを買ったことを覚えている。
36,000円くらいだっただろうか・・・。
それは無骨で飾り気のない、とは言え、この重さでは実用性も甚だ疑問なボウガン。
アルミ製の矢は冷たく凶悪で、矢をつがえ引き金を引くときの高揚感も冷たく暗いものだった。
電話帳2冊をブリキの菓子缶にガムテープで留めたもの、それが標的であった。

今は絶滅寸前のポルノ映画館もなんともなつかしい。
土曜昼下がり4,5人で、制服の上は脱いでくれとチケット売り場のお姉さんに言われ入った映画は日活ロマンポルノの名作
 「後から前から」だったのもなつかしいが、成人映画に高校生が入れたのは寛容というほかない。
(主演の畑中葉子はなんと紅白にも出場した歌手でありポルノ女優でもある)

Sは上映後腹痛を催したが館内のトイレには入らず足早に出て行った。
「オナニーすると思われるのがいやだったから」
というのが我々の一致するところの意見で笑ったものだったが。
本当は当然皆したかったのだ。

寛容といえば池袋東口、地下映画館「日勝地下」ではゾンビ映画とポルノの二本立てを観た。(ゾンビとポルノの二本立て
というのも凄いが、カッコイイと言えばカッコイイ)

制服、制帽そして学生鞄。
何もとがめられることなく、またそれを知らずに唐突にはじまったアメリカンポルノのタイトルは「ポルノエキス・迫る女」というもの。
擦り切れた赤いベルベットの座席、床にはあきらかに精液が幾重にも汚らしくこびりつき乾き、おぞ気だったが、ポルノが始まれば制服のズボンポケットの中に手を入れ、そんな汚らしい仲間に入ってゆく快感を感じたものだった。
上映後の冷めやらぬ興奮を「切れ端」でもよいから持ち帰りたく、帰りしな無人の廊下に掲示されていたタイムテーブル
(当時は手書き)
をくすねた。
「サンゲリア」「ポルノエキス・迫る女」の。

と、まあこんなことを思い出しながら結局は今宵の呑みも実に楽しく、二軒目に合流したkとともに帰る。

とにかく夜に向かう街が好きであり、この小心者の俺だがそんな夜にまぎれて呑む酒はいつも最高なのだ。
さて、今月もそんな日記の抜粋を。

(写真は東京で好きな街のひとつ神田、湯島の老舗のおでん屋。мが撮ったものを拝借。何度訪れても味含めすべての
最上が味わえる稀有な店)


 
1月3日 (日)


感慨無く新年を迎えるのはいつものことだが今年もやはりそうだった。
正月が楽しいのは子供時分だけ。お年玉がもらえたから。
今はコンビニ、デパートは元旦から営業、年明けの風情もへったくれもない。
近くの寺でいちにち中参拝客に衝かれるへたくそな鐘の音でうんざりする。
年末年始も不慣れな原稿書き、11月の北海道個展のための制作、酒。

今日はSが来る。ひさしぶりにすき焼きをする日。
Sはこの3日からすでに仕事で、日も暮れてから奇態だが例のイカス車で来る。
酒宴の酒、食材もいつもこの車に乗り込み買い物にゆくのだが「羨ましい」
そこここにSのオリジナル装備がなされ、車内というより「部屋」といった趣。

深夜、例の如くコンビニまで(風情がないなどと言ったことは忘れた)アイスクリームを買いに。
で、ついでに、このコンビニから来た年賀はがき持参。
持ってゆくとホットコーヒーを一杯ごちそうしてくれるのだった。
Sと一杯のコーヒーを回し飲み帰る。




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☆ 浜田マロン 『成熟のマーブル』

   骨格のふとい歌声はこのジャケ写真からは想像がつかない。
   「艶」と「渋さ」を併せ持った彼女の熱のこもった歌いっぷりが
   すばらしく、一分の隙も無い完成度100%超のアルバム。
   



1月15日 (金)


始める前はこの寒空で飲むわけないだろうと思うミネラルウォーターが実にうまい。
例のムーミンの庭(駐車場。無人、車も一台も無し)でkとバドミントンを一時間半ほど。
初めの頃と比べ息も相当持つようになった。三年前、Aと打ち合っていた頃よりも調子も良い。
とはいえ遊びの域を出るほどのものではないのだが要は楽しいか否かだ。
シャトルが見えづらくなったところでおしまいにする。

ジム、卓球場、武道場、など様々な体育施設の入った建物内は広く、この時間になるとあまり利用者もいない。
自販機コーナーであたたかいカップコーヒーを出しロビーでくつろぐ。

夜9時半からの「スター・ウォーズ」まではまだまだ時間があるため、カップのワンタンとおにぎりをひとつづつ食べ、少々寝る。

車で10分もかからないこのシネコンに来たのは初めてなのだが入ってみて本当にシネコンとして何ら遜色無しの立派な内部に少々感激する。
(普段、買い物に来ている近所にこんなところがあるのが意外なのだった)

4d、3d、2d、2d吹き替え、と4スクリーンの選択ができるのだが
我々はあえて2dを選ぶ。なんと入場者は2、30人。始終静寂に包まれゆったりと観ることができた。
一作ごとリアルタイムで追い、楽しんできた者としては往年のキャラクターとジョン・ウイリアムズの曲がなければ「s・w」とはどこか違うような気さえした。何十年にも渡る制作では変貌しないわけもないのだが・・。
しかし、ゆったりと味わえた深夜、近所のシネコンでの「映画」が楽しくないわけはない。
貴重な一夜だった。


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☆ コーエン兄弟 『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』

  あまりコーエン兄弟らしくない作品。
  『バートン・フィンク』 『ビッグリボウスキ』 『バーバー』『ノーカントリー』
  など奇妙な人物のたくさん出てくるものを期待したのだが、ちょっと
  その点では残念。しかしこの兄弟の映画は二度目、三度目に良さが
  じわりとやってくるので二度目の鑑賞に期待する。
 
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☆ 古井由吉 『山躁賦』

   比叡、高野の神社仏閣をめぐる男は病み上がり。
   の、ためなのか時間感覚の喪失したかのような描写が別世界との行き来を
   思わせる。それはまるで霊魂が如くの異様とすら思える彷徨だ。
   一読では把握、理解ができなかった。
   再読を繰り返し味の湧出する小説。これは俺にとって文学の財産とも言える。





1月24日 (日)

二十五、六年も前の寒い日。
したたか酔っぱらって友達と別れたあと、愛用していた東池袋のビジネスホテルにひとり泊まった。
部屋で、買ってきたロング缶のビールを開け、飲んだが半分は残し窓からふらふら街に彷徨い出た。
(このホテル一階の窓外は車一台停まれる屋内駐車スペースがあり、窓から出入りができた)

入った雑居ビル最上階はボーリング場だったのだが、それは知らずしてなぜそのビル、ましてや最上階まで階段で登ったのかは今となっては理由も判らず。
白い大きな鉄扉を開いたらそこは営業も今しがた終え、照明も落とされたボーリング場だったのだ。
少し離れた場内入口扉付近はそこだけぽっかりと明るく、何人か(従業員か客かも記憶にない)がいた。
とにかく酔っぱらっていたので手近にあったボールをつかむと躊躇無く一投した。
すぐ追い出された。

そんなことを思い出したのは今日初めてボーリングに行ったから。
51年生きていて初めての経験というのもどうかとは思うが。
かつての「一投」のレーンは無人だったが今日も無人。
ゲームを楽しむのは我々ふたりで、違うのは煌々とした照明のもとということ。今日は営業時間内である。
無論金も払った(2ゲームともkが出してくれた) よって追い出されない。
しかし日曜の夜22時をまわったところはこんなものなのかな。
楽しい。









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西牧徹/黒戯画世界

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