チョコレートのエロティシズム




楽園・味覚

 ★ 『楽園・味覚・理性』   法政大学出版局

図譜としても楽しめるこの一冊の中、3点の刺激的な寝室絵画
の引用による注釈が印象的だ。
それは貴族階級のチョコレート朝食!おお!なんとベッドの中で
楽しむ朝のチョコレート!17~19世紀におけるチョコレートは
嗜好を越え何とも贅沢で優雅、かつエロティックな効果を期待する
ものだったという。




 酒を飲む事、食べる事、嗜好品を味わうのが好きだ。大酒家、健啖ではないけれど。
それらが描く作品に反映されることもしばしばなので「食」を扱った本にも目を通す。そんな中の一冊がこれ。
中世世界の嗜好品、特にコーヒー、チョコレート、ビールそして煙草、阿片などの歴史と当時の在り方などが豊富な図版とともにわかりやすく解説されている。初めて書店で手にした時は学問的なアプローチよりは精緻な風俗画
肖像画、銅版画など、収録されている多彩な芸術色に惹かれて迷わず買い求めた。モチーフとなるのはその殆どがコーヒーハウスや居酒屋など人が集まる場所での飲食、喫煙のシーンで当時の悦楽的、退廃的な雰囲気にエロティシズムさえ感じ興奮したものだ(笑)
類書として同出版局より『中世の食生活 -断食と宴-』があるが、こちらは当時の調理師たちの実情、具体的な調理例や調理法などが興味深く読め、中世の食卓の光景に想像をめぐらせるのが楽しい。




デューク

 ★ デューク・オブ・ローガン (オールド・トム・ジン)
  
小体な店だが近所に和洋共に粒揃いの酒屋がある。
探してた1本が見つかった。
ロック、ストレートで飲むには甘いジンだが、暑い夏の午後などに
これでジンリッキー、ジンフィズをつくって一息に飲むとうまい。
この際は氷を多目にすると一層うまい。 (ジンフィズの場合、シロップは抜く)





キャンベル
 
 ★ キャンベル・クッキー (テディベア ショートブレッド)

 イギリス、スコットランドのキャンベル社のクッキー。
 添加物一切無しの素朴で質実、風味豊かなおいしいクッキー。
 日本のお菓子は種類も豊富でしかも工夫を凝らされたおいしい 
 ものが多いが、外装が美麗なものがあまりない。
   



 絵に食べ物を描き込むことが好きだが買うのも好きだ。特にパッケージの美しいお菓子は食べる目的より優先で買ってしまう。まあ、結果それらは味もとても良いのだが。先にも書いたが酒を飲むのも無論好きだがラベルの誘惑にも弱い。お菓子も酒もそのパッケージやラベル一枚で完結した物語のように感じる時がある。
以前山田氏に依頼してオリジナルラベルを制作してもらい2種類のチョコレートを個展で販売したことがあったが機会があればそのこともここで書いてみたいと思う。




デメル

  ★ デメルのチョコレート (ソリッドチョコ・猫ラベル)

 宝石箱ならぬ「菓子箱」の王道のデメルのチョコレートは
 その箱自体のコレクターがいるほど。
 値段は高いが買う価値のある一品。
 ミルク、スウィート、ヘーゼルナッツの3種があるが、ミルク
 が特においしい。
   
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音楽をかけたまま、おじちゃんは消えた。

 

猫の名前はカピタン。2歳になるうちの猫だ。Aの住まいの近所から我が家へ連れて来て二年になる。
Aの家へ行ったある日、ドアを開けた彼女が言うには僕のあとをついてきた猫だと言う。気づかなかったが足元に
猫がいる。
Aも僕も猫が好きではあるが、すぐさま家に入れなどしなかった。猫は閉じられたドアの外で鳴き、裏へまわって
鳴き、やがてどこかへ帰って行った。二日後Aと旅行から帰り、まもなく猫の声。二日間我々の戻るのを待って
いたのだろうか・・・。
 翌日、日も暮れた田んぼのあぜ道をAとふたり、カゴと餌を買いに行った。一晩動こうとしなかった猫を僕は家へ連れて行く事に決めたからだ。
 雨上がりの空に渦巻く灰色の雲に車のヘッドライトが乱反射する、そんな晩だった事を覚えてる。 
そのカピタンが猫としては稀な椎間板ヘルニアになり、快癒した話しを少し遡った日記として書く事にする。



カピタン


11月29日(木)

  日本獣医生命科学大学出身で病院の副院長であるI氏。猫の病気が判明した昨日、このまだ若い先生が言ったことでおおいに迷う。犬の椎間板手術の経験は数十とあるが猫は初めてだと言うのだ。
「失礼は重々承知で聞きますが、お任せして大丈夫ですか」←(失礼だが聞かずにはおれぬ正直な気持ち)
「犬と猫の構造的、組織的な違いはありません。あるのは脂肪の厚さ、骨の太さなどで手術自体に問題はありません。しかし、ご心配であるなら経験ある医師をご紹介することもできます」
だが、そうなればまた予約、遠方への移動・・・、時間の経過によるカピタンのからだのリスクは大きくなる。
それらを考え、信じて任せることにする。


11月30日(金)

  11月も終わりというのに何とも暖かな日。カピタンの手術は2時に始まる。その間、家に帰る気もせずフードコートでコーヒーとサンドイッチの軽食をとるとKの美容室に行きカットをしてもらう。
3時すぎ、I先生より電話。手術は無事終了とのこと。
病院。ケージに入れられたカピタン。手首には点滴針、鼻には細いチューブ、首にはカラー。包帯を巻かれた動かない半身を引き摺る痛ましいさまに、つい涙が出る。3日も経てば軽い歩行ができるようになるとのI先生のことばがにわかには信じられない。
 夜、カメラマンのSが心配して来てくれる。今、ここで気に病んでも仕方が無い。久々に和室に座卓を出し、酒を飲みながら鶏鍋をする。Sは「遅くなったけど」と言って誕生日祝いにドリップポットをプレゼントしてくれた。
一通りの酒を済ませた深夜、近所のコンビニまでアイスクリームを食べに行く。道中行き交うひともいない小さな林道、茶畑を越えてゆく夜の黒い道だ。戻ると偉丈夫のSは毎度持参の寝袋にもぐり込むとたちどころに寝入ってしまう。いつもより静かな部屋、床につく。猫を想いながら。


12月2日(日)

  先日行って来た鬼王神社のお守りをカピに持ってゆく。
顔を合わせると、連れ帰るようせがまれるのは目に見えてるので、モニターを通して様子を見る。
動かない。じっと座ったままだ。まあ、それはそうだろう。
I先生の話しでは運動機能は序所に回復、向上してると聞き、少し安心する。


12月13日(木)

  カピタンの退院の日。
若干、まだ脚は引き摺るものの、家に着き、かごから出すとあちこち歩き回り始める。しばらくはケージ暮らしだがやがて本来の調子を取り戻すだろうとのI先生のことば。お金はかかったが、かけがえの無い友の思った以上の回復に喜ぶ。 
 
 ※ このあと約5日ほどで軽く走れるようになり、今現在(12月30日)には走ったり跳んだりもできるようになった。鬼王神社へも年明け早々お礼参りに行こうと思う。I先生はもちろんの事、今回の事で色々お世話になった友人たちの、GとS、N子さん。本当にありがとう。

黒戯画ブログより御挨拶


煉とロカイユ (2010)

                         「煉とロカイユ」 (2010) 

    
 鉛筆画家の西牧徹と申します。
「ひとつひとつの細やかな描写で独自の黒い世界を構築する」ということで名付けたのが黒戯画ですが、この呼称のもと、2003年より制作をしております。
この度、友人のGと山田氏の計らいによりブログを始めることになりました。
少なからず自分を晒すのは面映い気もしますが手始めに、まずお報せをさせて下さい。
2013年の今年(おそらくは12月)に銀座ヴァニラ画廊で数年ぶりとなる黒戯画艶画展を開くことになりました。そして2014年(こちらもおそらく12月)日本橋の、みうらじろうギャラリーで、こちらは艶画と福画の折衷といったスタイルの展覧会を開きます。まだどちらも先の話ですが御興味のあるかたには是非、御覧頂ければと思っております。
さて、このブログ、取り留めのない錯雑なものとなると思いますが公園とか百貨店とかそんな雰囲気で(笑)日々を書き綴っていければと考えてる次第です。





月と雷雲 (2009)
 
                          「月と雷雲」 (2009)


 少年、少女の無邪気な背徳遊戯の「艶画」、キエムクーと名付けたクマとその仲間たちの日常と冒険を描いた
「福画」。黒戯画はふたつの世界に分けて描いてます。当然、それぞれの世界を描いてる時の気分の高揚は別種
のものですが、その世界のなかに入って行きたいという点で通じています。
あえてふたつに分けたのは、味を楽しむのに同じ料理を食べ続けるのは飽きるからという理由に近いかな?
「艶画」はフランスの地方料理の煮込みとかジビエ料理で「福画」はオイルを駆使したスペイン料理って感じか。
あ、どっちも飽きるか。
 
  
 

  
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西牧徹/黒戯画世界

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