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2016年 西牧徹展 『果樹園の狩猟のための9つの小品』



◎ 空はようやく晴れ、海の壮大さに呆ける中オリオンビールは冷たい。
見たことが無かったな。これほどまでにすばらしい海って。
「ここに棲んだら絵なんか描かなくなるだろうな」
生涯訪れることはないだろうと思っていた初めての沖縄にこれほど陶酔するとは思わなかった。

9月の旅行を堪能できたのは故郷を愛するKの綿密なスケジュールのおかげだった。
俺は小学生の頃、楽しい夏休み旅行から帰ると小規模なノイローゼ状態に陥ったことしばしば
なのだが何十年ぶりだろうか。
それが来た。(今は治まったが)

◎ さて、細かな日記は手帳にとどめ、ここでは11月の個展のこと。
N氏がお膳立てしてくれたこの度の個展は、札幌にある「ギャラリー犬養」で開催いたします。
展示を終えたら次の個展からはスタイルを変え、新しい世界観の作品を作って行こうと考えている。



annnai.jpg

遊園地           

☆ CGによる実験的旧作ではあるけれど展示をしたことがなかったこの作品も展示の予定。
  今後はCGによる制作は考えられない。




◎ 今年2月に訪れた時は残雪に埋もれ凍て着く、だだ広い一軒の古民家であり、無人の暗さも相俟って
迷宮が如くに感じ、ここで展示をする・・、ということが実感できなかった。
しかし、気がつけばもう来月だ。

◎ 『果樹園の狩猟のための9つの小品』という副題は、現代音楽タイトル風に気取ってみた。
「現代音楽」と言えば何十年前になるかな。
随分と『現代の音楽』 (NHKーFM) を録音した。
今もそのテープが (放送分にして10回くらいだろうか) あるのだけれど、今聴いて実に鮮烈に感じる。
また、この番組、上浪渡さんの独特な語り口を味わうために楽しみにしていたと言っても良いくらいだ。

◎ 時は同じくして80年代半ば。
自分の絵の方向性に煩悶していた頃、西武百貨店内にあった「アールヴィバン」 (池袋店の12階。今は無い)
は無知な俺にとっての言わば羅針盤であり、啓蒙の聖地と言えた。

内外の画集、美術書、そして区分けされた小さなスペースには現代音楽、前衛音楽のレコードに加え
名も知らぬ音楽集団やアマチュア・アーティスト達のカセットテープのコーナーもあった。
そのレコード、テープ、ほとんど全てと言ってもいいほど知らない俺にとっては未だ見ぬ宝石の如くに見え
美しくも奇妙なそれらに強く惹かれた。

ジャズ、ノイズ、インダストリアル、パンク、エレクトロニック・ミュージックそして詩の朗読・・・。
テープのスリーブも紙製、ビニール製、はたまた布袋入りと、各々の熱意と個性が強く感じられる。
そう、身銭を切っての芸術表現のその熱い意気は、ほんの小さなそのコーナーをまさに輝かせていた。


店は静かでいつも客はあまりおらず、奥のカウンターにはいつもTさんが居た。(20代後半か30代前半だったろうか)
理知的な顔立ちに、良く手入れされた髪と髭そしてシルバーフレームの細身の眼鏡がよく似合っていた。
Tさんは、望めば躊躇なくレコードのラップを切り、新品の盤をプレーヤーに乗せ針をおとしてくれた。
買う日もあったが3.4枚聴かせてもらいながら買わぬ日もそうとうあったと記憶している。

自身が音楽家でもあるTさんなのだが、ここには彼自身の手掛けたテープも置いてあった。
ギター、ベース、ソプラノ・サックスなど幾つもの楽器を駆使する、彼の奇妙な作品集を今も俺は大切に持っている。



te-pu.jpg

 ☆ 「HATAGО-YA」 というのがTさんのアーティスト名だった。
   この美しいデザインワークも御本人の手によるもので
   ギター、ベース、ウッドフルートそしてリズムボックスからなる
   シンプルな構成による奇妙な、だが今もってスタイリッシュ
   なこの音楽は何と表現すれば的確だろうか。

   うねるベースは重くダークで、そこに歩みのようなリズムが
   ゆっくりまつわりつく・・・。
   ジャズ、民族音楽、現代音楽を扱う店で働くTさんの詩的前衛室内楽
   とでも言おうか。
   深海魚音楽、暗室音楽・・・。
   いや、言葉足らないだろう。




ノルゲ

☆ 佐伯一麦の本は今まで書店で手にとっても食指が動かなかったけれど
  2015年に文芸文庫に新しく入ったこの「ノルゲ」を手に取ったのがつい先日だった。
  面白い私小説だ! が、どう面白いかは説明が難しい。が、面白い。
  楽しみに読んでいる。






◎ 今週のこと。


刷り上がったDMを各地に郵送したり、配布したり。
作品の完成も急ぐ。
来年制作予定の本のため各種作業をする。
その合間、酒はやはり欠かせず。
近頃細々つくったもの。以下。


・ 温度調整を忘れた冷蔵庫で水菜は凍てつき、葉は使い物にならない。
  その葉だけ落として納豆と和える。醤油、いりこだし、レモン汁で。
  5cmほどと、長めに切った水菜を蕎麦のようにすすると旨い。

・ 立ち読みした料理の本から。
  いんげんをゆで、2,3センチほどに切って明太子と和える。
  ここに醤油を2,3滴おとすと香ばしくなり一層良いようだ。

・ ひどい店に入っちゃったなあ。と思ったが料理はなかなかにおいしいのだった。
  西池袋のイタリアンバル。
  ここで教えてもらったもの。
  クリームチーズとピザソースを練り合わせる。
  そして玉ねぎとピクルスを細かく刻んだものを混ぜ込むのだが、これが網焼きした
  バゲット (食パンでもいいだろう)、クラッカーに塗って食べる。
  旨い。
  ワインやウイスキーのソーダ割りにとても良く合う。

・ 大根のステーキをつくった。
  コンソメ、砂糖、胡麻油少々とにんにく醤油でよく煮含めた大根を引き上げ、水分をとばす。
  ラード、バターで表面を焼く。(フライパンで)
  付け合わせはクレソン。

・ 蓮根と水菜、ツナのサラダ。
  マヨネーズ、レモン汁、サラダオイル、黒胡椒、砂糖、パセリでドレッシングも。

・ 海老とチンゲン菜を使い、クリームソースをつくり、クリームパスタ。

・ アスパラガスとマッシュルームの炒め物。
  薄切りの大蒜をたっぷり入れる。

・ パンケーキを焼いたりスクランブルエッグはKがつくってくれたが焼きたてのパンケーキは
  どれくらいぶりだろうか。実に旨い。

・ ゆうべ(10月17日)はひさしぶりにカボチャを買い、ポタージュをつくった。


 
 

メラニー

☆ 少し前。
   アマゾンでは在庫が無く、タワーレコードに問い合わせたら新宿店にあった。
   アナログシンセのほどよく絡み、影に沈み込んだような雰囲気が素敵だ。
   深夜良く合うジャズ。




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西牧徹/黒戯画世界

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