2月・・・ ブーツ / 白の梟 / ゴールデン街 

銃


今月はひとと会うことが多かった。日記も面倒なので3日ほどの抜粋。





2月4日 (水)



新宿17時。

彼女は黒革の膝上ブーツに、ピンクのレーシーなショートパンツは「超ショート」。

とても可愛いコーディネートだ。


先月『crow』で、グラビアモデル (Aとしておく)との約束で、今はフリーである彼女を撮らせてもらうことになり

その話しをするため、新宿で待ち合わせた。


よくここで打ち合わせをするのだという今では古風というべき喫茶店。

紅い絨毯の敷き詰められた広い地下は二層式フロアで天井が高く、居住まいの良い落ち着く感じで気に入る。

さて、本題。好意での撮影ということだがAとしては、作品ができたら何らかのかたちで提供して貰いたい、それが世

に発信されればなお良いとのことである。そんな中、隣席に学生とおぼしき4人連れの客。

ちょうど通路をはさんでの隣に着いた1人の彼はAのむき出された張りの良い両腿にどうしても眼が行ってしまう。

無理も無い。


Aが出演したVシネマのひとつはその猟奇の過激さが際立つ。

かつて『ブラッド&スティール』という作品を描いた俺は、その劇中一部シーンにひどくそそられ、興奮した。


三軒目の酒場では、かなり背徳的な撮影内容にも関わらずはりきっている彼女の様が嬉しい。

しかし、歳若くとも、すべての仕事全工程をこなす女だけあってしっかりしたものだ。



俺がしばしば立ち寄る「K」は古い木の香がする地下の店なのだが、ここを彼女は気に入ってくれた。

古い木の香のするほの暗いカウンターはとても落ち着く。

炙り蛸のポン酢、鯒の刺身、畳鰯など旨い肴をつまみ、杯を口に運びながらのさなか、Aが見せるグロテスクな

写真やら話しやらで閉口するも、俺自身もおかしい(変という意味)と指摘するのには参ったが。

後日、ラバー製品の試着をするという彼女が俺を同行に誘った。



miya.gif



● 後日、ラバーのショールームへ行く前の試し撮りのひとつ。
   トップスその他は調達中なので、黒の超ミニとエナメルブーツだけ履いてもらった。



   
 honey-cat-(2004)-42.gif



●  『ハニーキャット』 (2004)
    2種の動画撮影をするのだが、ひとつがこれ。ハニーの肉感的な肢体がホールケーキの上でくねるさまは
    なんとも扇情的だろうと思う。

  






2月16日 (月)



古いケント紙に描くと独特の風合いが醸される。意図したわけではないが偶然の結果に初めはなぜそうなるかが

わからなかった。それの良し悪しについては自分でも判断着きかねる。そんなことを思いながら制作を進める絵が

じきに仕上がる。朝から何度も重ね塗りを繰り返す。わるくはないと思う。



制作途中は雑駁な想いが交錯し、その殆どは脈絡のないものだが今日、先生のことを思い出した。

メキシコでつけられたという深い傷跡を顎に持つ先生はかつて学生時代、ある講座のために来た非常勤講師であり

俺は講座のみならず笹塚にある道場にもしばらく通うことになった。道場からはガラスで仕切られた事務室が

見えるのだがそこには梟がいた。しかも白い梟だったと記憶している。


そこでは「姿勢そして腹斜筋」について学んだ。姿勢については今も常に意識した生活をしているが、例えば酒の酔いさえ

も姿勢によってある程度制御することができるということを実感できる。





制作を終えた夕方、新宿へ向かう。

『crow』のスタッフであるNちゃん、そして客であるsさんとの呑み。店は風林会館近くのよく行く中国料理屋である。

ビール(チンタオ)を飲んでるとほどなくNちゃんが来る。茶髪の、ちょっと派手な彼女は美しい女の子だ。

だが、この風体を見た限りでは、その身の内に美しくも恐るべき技を秘めているとは誰も思いもよらないだろう。

(日本の競技鞭の世界で、トップの腕前を持つ)



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〇 ジョン・ケージのプリペアドではないピアノ曲集。歌曲も入っている四枚組み。
  ピアノとしては非常に生々しい臨場感のある美しい録音。
  女声による歌曲も素晴らしいがどこか奇妙な雰囲気のところが気に入っている。





押し豆腐の前菜、クラゲの冷菜、蒸し鶏をつまみながらSさんを待つがその間、彼女が交流のある剣術家の話し

また、鞭の死角などの話しを聞く。彼女が言うには、ある種の空手家には「鞭」の攻撃圏に入り込まれてしまうかも

しれないという話し、実に興味深かった。が、裏を返せば「鞭」の攻撃、防御圏内に入り込める武術は少ないという

ことか・・・。 技術、それも高度の熟達の技に裏打ちされたひとの話しだけに説得力がある。

と、鞭の話しはこれまで。



彼女は俺の撮るビデオ作品に出てくれることになってるのだが、今日は話しを詰めてみた。要するに少々、猟奇な内容

に承諾してくれるか否か。二つ返事だった。さすがクロウのスタッフだ。

そして彼女は8月あたり『クロウ』でまた展示をやらないかと誘ってくれた。


8時半にようやくSさんが来る。杯をかち合わせ、料理を頼む。

羊の串揚げ、じゃが芋のサンラー炒め、焼き餃子、麻婆豆腐・・・。みんなよく食うしよく飲む。

Sさんはクロウに来る客のなかでもごく普通のひとだ。しかもとてもかっこいい男である。

酒場での、ましてや初めて会ったもの同士の約束は守られるためしはまず無い。が、今日ここに3人の約束

が実行されたわけだ。


二軒目を出たのは12時近く。次は我が家ですき焼きを囲むことになった。

帰宅。軽く仕事をし、眠る。









23日 (月)



昼。宝焼酎ハイボールをひと缶をあけ、飲む。

今まで俺はこいつを何本飲んだかなあ。近頃・・、といってもここ数年家でビールを飲んだことは殆どない。

呑みのくちあけはまずこいつの「ドライ」だ。しかし出かけるのでこれ1本だけ。

制作中の「発電所」のつづきを描く。


今日は絵描きの友人である森口裕二君と呑む約束。

同じ絵描きとして気になる作家はいない(国内において)俺だが彼だけは気にかかる。これほど美麗な色彩を駆使する

画家を見たことが無い。色彩が溢れ過ぎ、色が食い合ってしまうということが見受けられず、各々の色が

華やかに開花しているとでも言うべきか。



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● 内外問わず、私淑の作家のひとりである彼の作品をここに展示するにあたって、かなりの目移りをしたが
  この作品に決めた。
  構図、モチーフともに特に俺の好みである。


   


17時新宿。

おお、なんて久しぶりだろう。思い出す。 何年前か、我が家でふたり、酒卓を囲んだ事を。

森口君と出合ってから、もう10年以上経つのだなあ。 頻繁に会うわけではないが気になるひとだ。



早速三丁目の「T」に向かう。

道すがら話す彼は相変わらず元気そうだ。少し太ったか・・、だが俺もそれを指摘された。 しかしね、俺の同じ

年齢の友達の皆のように腹は出ていないぞ。


「T」ではホッピー、ハイボールを数杯。鶏刺身、そしてコースを取る。いろいろ話したがやはり中心は制作周辺

のことだ。 

で、思ったこと。

誰かと比べてがんばろうとか勝とうとかは全く考えない俺。これは本当に正直な気持ち。

要するに意地とか根性とかまるで無いんだな、俺って。しかし、彼の日常を聞くに「もうちょっとは制作時間を

とろうと」  俺の2倍以上の時間を制作に費やしている彼だ。


ほどよく酔い、店を出ると花園神社を抜け、ゴールデン街へ向かうが久しぶりだなあ。最後にここで呑んだのは

Sに連れられて行ってた「D」だ。


「しの」

ここは彼がよく来たという店で、ゴールデン街らしいカウンターに惣菜の皿が五品並んでいる。

みな旨そうだ。


馴染みらしい会話を横に聞きながら食べた「じゃこと獅子唐」「小松菜と揚げの煮浸し」とても上手にこしらえた

惣菜だった。そういえばここの料理はおいしいと「クレマスター」(同じくゴールデン街)のひとが言ってたっけ。


さっき加賀屋で買った葉巻を主人と3人で吸う。しかし、ここの小ぶりのグラスで出されるハイボールも旨かった。

「角」を正確にメジャーカップで切るのは若い女の子だ。近頃はどんぶりのようなジョッキで出す「メガ」があるが

ありゃだめだ。このくらいがちょうどよい。


この「街」の店にしては腰を据えすぎたかな?主人も奥方も(特に奥方)ユニークで実に楽しい時間だった。

時計の針ははやくも12時をちかく指している。

店を出、握手を交わし別れる。また近いうちに。



P1020736.gif

● 帰宅後、グレイス・ジョーンズ「ハリケーン」を聴きながら少し制作。
   しかし、還暦を越えてのこのアルバム。実に内容が濃い。しかもなんて丁寧なつくりだろうか。
   で、ステージではTバックのコスチュームで歌う姿は60越えの女とはとても思えない。













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西牧徹/黒戯画世界

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