7月・・・瀧 / 貴公子 / 歌舞伎座

7月ブロ
『Lotus &venus』 (2017)



 Gallery Zaroff 企画
     西牧徹個展(仮)

  ○  会期;2018年1月11日(木)~23日(火);画廊 珈琲 Zaroff(ザロフ)

     〒151-0061 東京都渋谷区初台1-11-9 五差路
     電話: 03-6322-9032

     開廊時間:open 12:30 - close 20:00(画廊), 22:00(喫茶店)
     休廊日:毎週水曜




7月 (通じて)

ぐずぐず躊躇し、描きあぐねていた水平線位置が決まる。
滝の描き込みを始めたのは前夜の酒が少々残る小雨が降り始めた2時半頃か。
紙はボードだがやはり湿気か、若干ぬかるむような鉛筆具合だ。

F、2B~9Bのすべてを削りなおす。
これは湿りとともに気弱な垢を削り捨てるための儀式だ。
電動でカタルシスを得る。

デスクガラスを拭き清めた。

プリンスの「パープルレイン」をかける。
旨い酒様々あれど、肴が合えば抜群の酔い心地を味わえるが、その「抜群」にそうそう巡り合えるものではない。
絵も然り。

抜群とは言えないがこの「パープルレイン」で軌道にのった。
湖に降り注ぐ滝はいい線いってるぞ!これで絵に奥行が出た。
酔ってきた。

消えゆく遠雷のごとく、風向き加減で仄かなる瀧音が聞こえる駅、というのがいい。
それも明け方近くの。
彼女は寒い狼だ。

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『ゴールデューム駅』 部分 (2017) 

背景を描き込むことによって空間性がより出てきたように思う。
滝、そして水面、雲をさらに描き込んでゆく。
時間に追われるのではなく潤沢に時間を使って仕上げる。






〇 小鳥が死んだ。享楽にざわめく街の片隅に必死に蠢く何かを彼女は見つけた。誰も気にもとめない片隅だ。
  ちいさなからだを震わせもがき都会のアスファルトの熱に焼かれ、もがいたその時から死は予感した。
  が、今、あの時の後悔は無い。あまりにちいさなからだは俺たちの乏しく浅はかな知恵でどうできるものではなかった。
  乏しい知恵を振り絞った結果の病院で翌日悲しく鳥は死んだ。Gのことを思い出した。
  雀の命を救えず激しく涙した彼のことを。




7月5日 (水曜日)

HもKも共に高校時代の友人で、ここにSも加わっていたのが数年前であり、今Sはいない。
今、愚にもつかぬ火消しに臨むこの悪名はテレビに映るこの頃だ。一種の天才性を持つが悪い評判以外は聞いたことが無い。が、酒を共にしてこれほど楽しいやつもいないので寂しい気もするな。

さて、今日はHとKとの数か月ぶりの飲み会。
ここにもうひとりのKを加えての池袋の老舗鰻屋であった。
(この日、前述の小鳥事件が入る)アトリエサード編集長夫妻と呑んだ時と同じ席を座敷にとる。
本当に安く旨い鰻屋なのでこの日も大盛況。
鰻串以外に、前回なかったドジョウを唐揚げにしてもらう。旨い。
ああ、鍋があったらなあ。浅草の飯田屋を思い出し、行きたくなった。

夕景

☆ 仕事部屋より臨む森の夕暮れ。今月のいつだったか。



7月7日 (金曜日)

なんと地元のホールにフランチェスコ・トリスターノが来るということを知ったのが先月末くらいだったかな?
しかも廉価の鑑賞券となれば行かずばなるまい。
この小さなホールはステージを三面から囲むかたちでの300席であり、音響も抜群だ。

果たしてその演奏は素晴らしく、トリスターノはピアノという楽器を奏でるもうひとつの力強く優美な楽器に思えた。
ピアノに構える刹那の静寂、息飲む何たる緊張感か。
このひと、やはりオリジナル曲が凄まじくいいな!このアンコールにはKも絶賛であった。
しかし細いな、ハンサムだな。天から二物以上を与えられ祝福されたひとだな。
いつかオリジナル曲のみのコンサートがあれば是が非でも行く。万難を排して行く。

コンサートが終わり興奮覚めやらぬ面持ちでホール内のカフェへ入る。
おお、なんだかおばさま団体がひしめきあってるがこのひとたちはトリスターノとは関連無きひとたちだった。
さすが市民ホール。
冷えたハイネケンを飲む。

その後京橋へ。
鉛筆を駆使する画家・飴屋晶貴さんの個展へゆく。
この奥ゆかしいひとは札幌のひとで、懐古的な怪奇趣味を振るう凄まじい技巧の持ち主だ。
驚くべきはもうひとつ、繊細な筆致で描き込まれる紙が「目の粗い画用紙」ということ。
俺とは正反対の紙質選択だ。

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☆ 作品のための参考に読む。注釈がとても良い。


7月13日 (火曜日)

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七月大歌舞伎の夜の部である『駄右衛門花御所異聞』を観る。
二十数年ぶりの歌舞伎。
その時はОの世話によって桟敷席という幸いだったのだが、この度は予約の出遅れ、二階席になってしまった。
しかし演目はなんとも豪華極まりない。
予想をはるかに上回る舞台仕掛けは壮大という他なく、その観客を飽きさせない演出と場面転換に圧倒される。
花火、京劇もどきのバク転、そう、宙乗りもこの日初めて観た。
主演の海老蔵は若い細君を失ったばかりなのでどんな演技を見せるかと思ったがさすが一流の役者、堂にいった存在感に一分の翳りもなく、おおきな輝きを放っていた。

この日を大いに楽しみにしていたKは全てを絶賛し、始めての歌舞伎体験をほめちぎっていたのがなんとも嬉しいではないか。
旨い立ち食い鮨で今宵を締める。
帰宅後、ハイボールを冷蔵庫から出し、猫におやつを与え、見得を切り、冷静になり絵をほんの少し描く。

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7月14 (金曜日)

母と珈琲を飲みに行く。
車で15分ほどのところにある「珈琲館」にしばしばゆくのだが近所にほかの「喫茶店」てあんまないんだよね。

昔昔その昔、東中野の高校にイヤイヤ通っていた頃、コーヒーのうまさに開眼したのが目白の珈琲館だった。
(ストレートのモカか、ホット・モカ・ジャバが気に入りだった)かつてあった「感謝の日」っていつから無くなったのかなあ。
洒落た小皿などくれ、今も使ってる・・って、俺は物持ちがいいなあ!
入学祝いに親父に買ってもらった腕時計も健在なり。
いやあ、今のひとが物に愛着が無さすぎるんだと思うよ。本にしてもCDにしてもさ。

母は来月88才。米寿である。
色々気をもませるがまあ達者なほうだろう。生活基本を崩さすひとり暮らせるということは何にも代えがたいことだよ。
ホットケーキとアイスココアを頼み、俺はアイスコーヒーを飲む。

ぼうっと眺める道、向かいにはハンバーガーの個人店があるのだが、以前聞いたところによると車での移動販売をしていたという。
うむ、なおも揺るぎないファンは増えるであろうことは、味わえば判ろうというもの。
少々値段が張るのはファストフードではなく立派な料理としてのハンバーガーなのでそれも納得の旨さ。
使われる牛肉は良いにおいがし、香ばしい粗挽き肉ならではの歯ごたえも抜群だ。
種類も多く今まで三度来たが味もさることながら妙に音質のいいAFNが響く店内も印象的である。
近々また来よう。
そう、夜に。まだ夜は来たことが無い。ここは酒もあるのだった。
ビールとラムを飲みながら熱々肉汁溢れるニンニクたっぷりのハンバーガーを齧ろう。
そうだ来週行くか。

haieitasu.jpg

☆  夏の深夜。殆ど照明をおとしたような部屋でハイボール片手に聴く。
    でも聴き込みが足らないのか今一つの心地よさは感じない。
    でも気にはなる。なんか散漫というか落ち着きがないんだよな。なんだろ、この音楽は。
    R&Bのような・・・、ソウルも入ってるような・・・、狂ったジャズのような・・、音響系も若干あるような
    聴いたことがあるようなないような、そんな感じ。
    誰か他のひとの家で、聴いたことのない新譜やら旧作など別のアルバムを聞かせてもらうと「ええっ!」
    って感じが期待できるような・・。



   


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