遅れた日記・5 「地下食品売り場 / 画廊 / 天狗」




2年ぶりにひいた風邪が早く治ったので約束を反故にせず済む。
今日はアトリエサード社長、鈴木孝さんと銀座の画廊をふたつ廻り、そのあと飲む約束。
伏せてた2日間干せなかった布団をベランダにかけると実に気持ち良い天気だ。いつも通り午前中制作。
2時半に家を出る。
 駅の百貨店地下食品売り場でクッキーを買う。(個展中の長谷川友美さんへのおみやげ)
平日休日問わずの混雑ぶりの食品売り場だ。小川洋子の小説「妊娠カレンダー」にもあったが、これだけのひとが食べ物を求めて集まってくるということにあらためて驚く。(僕もそのひとりなのだが・・)


 画廊にて。
長谷川さんは制作が早い。本人曰く、それだけ作業してるからとのことだがとにかく驚きだ。
作品はゆるやかな時間が音もなく静かに流れるといった印象の、夜の絵が多かった。いつもの彼女の絵とは一味違う百合の作品が目を惹いた。
(珈琲をごちそうさまでした)


 遅れてきた鈴木さんとヴァニラ画廊へ向かう。
「林良文展」。
目の当たりにするその凄まじいまでの筆致は他の鉛筆作家を寄せ付けず、狂気ともいえるエロス群が画廊を濃密な空間にしている。
執念と極度の集中に支えられたその圧倒的作業量に気圧される。
今回特に瞠目したのは、僅か一ミリほどのハイライトだ。それを初め白抜きとは思えなかった。まるでそう見えないのだ。
それは点描きされた白絵の具の盛り上がりにしか見えない。

パリからいらした御本人が在廊されていたので小1時間ほど色々お話しを伺えた。
ギーガー、シビル・リュペール、プメロ・・・。先生御自身がアイドルと言う画家は僕も好きな画家だった。
しかし・・、小柄な方だがその鍛え上げられた肉体がまた凄い。ゆったりとしたセーターの上からもはっきりと分かるその発達した大胸筋の盛り上がりに驚いた。(今日はよく驚く日だ)





P1010575.gif

★ 林良文 『脳髄を懐胎したある唯物論者の花嫁』 (トレヴィル)

林良文氏初めての画集となる本書だがその密度、内容共に僕が出会ったことのない驚異的な異世界が展開されていた。
今もって当時のその衝撃を凌ぐものは無い。
当時のトレヴィル編集長である金田太郎氏(故人)が林氏に会って5分で画集化を提案したというのも頷ける。





 その後、鈴木さんと銀座にできたテング酒場へゆく。ふたりで入るのは2度目。ここは安くてうまい。
店内の風情とその値段の安さは銀座とは思えない感じだ。
もつ煮豆腐、サイコロステーキ、鰤刺身、山芋わさび漬け、などを頼む。
近況、画廊のこと、映画、今度の飲み会のことなど話題は尽きない。楽しく飲むが時間は滝のように過ぎる。もう、10時半だ。
回り道をして鈴木さんが僕の駅まで付き合ってくれる。
帰宅後1時間ほど仕事。ハイボールを一缶飲み。入浴、就寝。
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